2016年03月04日

【く】黒い家

※はてなの3つ目ブログから転載です。

「しりとりぶっく」のカテゴリーは本のタイトルをしりとりで繋げて、その本のこといろいろ書くシリーズです。
前回は初回なので、記事のタイトルからしりとりしてます。
◇ ◇ ◇


これは読んだことある本。

黒い家 (角川ホラー文庫) -
黒い家 (角川ホラー文庫) -
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。



これは小説を先に読んでから映画も見た。
「ホラー小説大賞」の大賞を受賞するはずだよねー。
っていうぐらい、ものすごい怖かった。

どっちもまだ読んだり見てない人は、小説から読むのをお勧め。
映画はホラー色の演出がけっこうアクが強いんだけど、小説が先だったわたしにはキャラクターイメージにギャップがあって、映画にはちょっと戸惑ったから。

保険屋さんの主人公が殺人を疑った保険金請求の件で対峙する夫婦(首吊りした子どもの親)が、映画だとものすごい異様なインパクトあるキャラクターに仕立てられてる。
でも原作はそこまでの異様さは出さず、じわじわした怖さをかんじる人物像だから、こっちの方がリアリティをかんじる。

だけど、映画は映画の怖さがある。
さいしょはほんとに「いかにも」っていうホラーっぽいキャラクターの演出に馴染めなくて、この映画ハズレかなー、なんておもったんだけど。
主人公が調査していく夫婦っていうのは、映画では大竹しのぶさんと西村雅彦さんがやってて、こういうのを怪演っていうんだとおもう。
見ていくうちに、ふたりの「ものすごいホラー色」の臭さをかんじなくなって、ふたりの異様さに自然にひきこまれていっちゃうの。
それだけこのふたりの演技力がすごいんだよね。

ただ、この怪演の怖さと小説の怖さは別モノなので、言ってみればスティーヴン・キングの『シャイニング』の小説と映画みたいに、「ちがう作品」としてとらえたほうがいいかも。

だからこそ、さいしょは小説の方を読んで、この物語のオリジナルのホラー性を知ったほうが、映画ももっとたのしめるとおもった。

わたしがこの物語でいちばん怖かったのは、小説と映画両方とも、さいしょに主人公が子どもの首吊りを発見するとこ。
映画だとこれが「映像」だから、こういう場面にいろいろトラウマがある人は映画見ない方がいいかも、って心配になるぐらいにものすごい怖い。

貴志さんはこれが初めて読んだ作品で、ほかには『天使の囀り』と『青の炎』読んで、『悪の教典』は単行本で持ってるけどこれは未読。
読みたいんだけど、いろいろ読みたい本が溜まりすぎてて、まだそこまで辿りついてないのです。

わたしが読んだ3作の中では『黒い家』がダントツに怖い。
『天使の囀り』も「角川ホラー文庫」のホラー小説で怖いんだけど、これはなんか背中がムズムズぞわぞわする「きもちわるさ」が含まれた怖さ。

『青の炎』はホラーじゃなくて、ミステリーなのかな。
これは主人公がまだ17歳の高校生で、彼が人を殺して、それを警察が追い詰めていく、って話なんだけど。
ものすごい切ない。
切なすぎて、さいごはものすごい泣けて、こんなラストになってしまった読後感のわるさが残る。(だけどこれは名作)

貴志さんの小説はわたしの好み。
だからほんとはぜんぶ読みたいんだよねー。

貴志さんをまだ読んだことない人に、さいしょの一冊を勧めるなら。
まだ3作しか読んでないけど、わたしは『黒い家』から読んで、っておもう。
こんなに「怖い人間」を描けるの、すごい。
よく、幽霊や化け物より生きている人間のほうが怖い、っていうけど。
ほんとに、こんなに怖ろしい人間性があることに、ゾッとしちゃう。

「ニンゲン」が怖くなる小説だよねー。





次は【え】。

posted by みかみか at 17:03| オーランド ☁| しりとりぶっく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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