2015年12月03日

ひらめきの鍵

いま、スティーヴン・キングの『書くことについて』を読んでる。
(読むの遅いから、「まだ」読んでるよー)

書くことについて (小学館文庫) -
書くことについて (小学館文庫) -


ここで、キングの処女作の『キャリー』の誕生の話も書かれてる。
ウィキィペディア見るとこれが処女作、って書かれてるけど、そのまえにたくさんの短編をいろんな雑誌に送って掲載されてるから、「はじめて書いた作品」でもないし、「はじめて商業誌に載った作品」でもない。
長篇として処女作、ってことなのかな。

キングがびんぼー時代に、ハイスクールの校務員のバイトをしていて、そこで高校の女子のロッカールームの清掃もしたんだって。
そのときに、女子トイレにあるサニタリーボックスや、女子のシャワーにはピンクのカーテンがあること(男子はカーテンないの?)を見て、それでひらめいたのが、キャリーの原案。

女性の生理のこと。
それと、女性はシャワーを浴びる裸を「見られたくない」と思うこと。

それをキングがリアルに見て知ったことで、あのキャリーが学校でシャワー浴びてるときにはじめて生理になっちゃってパニックになるシーン、が思い浮かんだ、ってことが書かれてた。

ストーリーを思いつくきっかけ、として、この話はおもしろかった。

でも、男性が女性のサニタリーボックスを見て、あの生理のシーンを思い描く、って、なんかすごいなー、ともおもう。

『キャリー』は原作も読んだし映画も見たけど、ひきこもり時代(たぶん中学生)だったから、細かいとこまではあまり覚えてない。
っていうのも、わたしはこの作品がものすごい苦手だったから。

あまりおもしろかった記憶もない。
キングの作品は映画になるとつまらなくなる、って評判だけど、原作のおもしろさも記憶に残ってないんだよね。

「苦手」っておもったのは、映画のせい。
生々しい血のシーンは、ほんとに生臭さをかんじて、説明のつかない拒絶感みたいなのがじぶんの中に湧いた。
これは、女だから「女特有の血」に生々しさをかんじるのかな。

わたしは教わったのに忘れてただけかもしれないけど、じぶんがはじめて生理になってから何年もその「生理の血」って血液だとおもってなかった。
なんか血の色をしてる「血に似たなにか」みたいな感覚だった。

だから余計に、「なにか」のイメージに、あの子宮が鉛になったみたいな重苦しくて鈍痛なのに耐え難い独特の生理痛が重なって、生理の血、っていうのを直視できない。
バイトでトイレ掃除をするときとか、じぶんが公衆トイレを利用するとき、あきらかに女性が汚した血だとか、ひらきっぱなしで捨てられてるナプキンとか、ああいうの見ると、反射的に目を逸らす。
カラダのほかのぶぶんから出た血液より、生理の血は「見たくない」拒否感がじぶんの中に強くある。

『キャリー』が苦手なのは、そのせい。
でも、男性は女性の生理の血を、ストーリーのアイテムとして使える、っていう感覚が、わたしには「すごい」っておもった。

女性作家がじぶんのカラダのそういうものを描写してる作品もあるのかもしれないし(いまは思いつかない)、ヘーキな人はヘーキなのかもしれないけど。
わたしは生理痛がつらすぎる体質だから、そのじぶんの苦痛が蘇る生々しさをかんじてしまうだけなのかも。


あ。
『エクソシスト』のリーガンのあのシーンも直視できない。
十字架をじぶんのカラダの局部に刺すシーン。

ぎゃー、っていう、なんかリアルな痛みを伴った拒絶感がある。

そういうぶぶんから出る血をアイテムにする物語として。
ポルノもあるよね。
ヴァージンの女の子の破瓜の出血の描写とか。

「はじめて」の証しとして、オトコはその「出血」を見たいものらしいけど、ほんとにそうなの?
あんなとこから出る血に「ぎゃー」ってならないの?

お腹を引き裂かれて、そこから内臓が血のしぶきと一緒に飛び出す、とか、頸動脈を刀でばっさり斬られる、とか。
そういう「血」は、別に見てゾクゾクはしないけど、じぶんの内臓が鉛になるようなリアルな感覚を伴った拒絶感はない。
スプラッタ映画は好きなのに、『キャリー』はどうしても苦手。

女子のロッカールームで、あんな描写を思いついたキングの「感性」をおもしろい、っておもう反面、「理解できないー」っていう、じぶんの中にはまったくない感覚をかんじた。

わたしがもし、男性用のロッカールームとかトイレとか、そういうふだんは女が入り込めない場所を見たとき。
なにかそういう男性特有なアイテムをつかったストーリーっておもいつくのかな。

バイトで男性の小用便器(小便器?)の掃除はしてる。
あの、小用便器しかない狭い個室に入るたびに、ものすごい違和感はある。
そこはふだんなら、女は立ち入らない場所、だから。

なんで、男性用の小用便器しかない狭い個室にはドアに鍵がないの?
いきなり開けられて見られてもヘーキなの?

小用便器が並んでるトイレだと、隣の人がオシッコしてるの、見えちゃうよね。
男性は「オシッコ中」の姿を人に見られるのはぜんぜんヘーキなの?

あれはすごいフシギ。
わたしは、友だち同士で個室に並んで入るのも、なんかためらうし(知らない人ならまだいいけど、知ってる人とすぐ隣、ってなんかダメ)、音は消すよね、ぜったい。

男の人は音も消さないし、鍵もかけないし、そもそもオシッコするときはそこに並んでする、っていうのは、ほんとにフシギな感覚。

でも、そこからどんなホラーを思いつくでせう。

いきなり小用便器に吸い込まれちゃうホラー、とか。
便器の中に入るのは、ホラーじゃないけど『トレイン・スポッティング』の名シーンになってるよねー。

羞恥心の強い男の人は、トイレでいろいろ困らないのかな。
そういうキャラクターで、なんか描けるかもしれない。

っておもった。(おもっただけで、なんにもストーリーがおもいつかないけど)

トイレに入れない男、を主人公にしたホラーをわたしも書いてみようかな。
それが処女作になって、印税でだらだら暮らしていけたらいーよねー。
映画化されたら、「トイレに入れない男」役の俳優はだれになるかなー。


そんな小説と映画がこの世に出たら、その作者はわたしかもしれません。
だれかがこんな主人公で書いてくれてもいーけど。
(^o^)


こんなブログの記事も見つけました。
👣 いかにしてスティーブン・キングの妻はキャリーを救い、また夫のキャリアを始めさせるに至ったか
///blog:もがいてる



posted by みかみか at 03:57| オーランド ☁| 読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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