2016年03月28日

『愛されすぎた女』を読んだ。

※文中のアマゾンのリンクはどれもわたしのアフィリエイトではありません。


愛されすぎた女【徳間文庫】 -
愛されすぎた女【徳間文庫】 -

フランス書院系のバリバリの官能小説ではなくて、なんとなくえっちいな小説読みたいなー、っておもってたら。
本好きの人が、大石圭さんの話を出して。
どんな作品書いてる作家さんだろう、って調べてみたら、えっちっぽい小説みたいなかんじがしたから(その本好きの人はえっちな本を勧めてくれたわけではない。風変りなサスペンス小説書く人、って説明してたの)、それでキョーミそそられて。

いろいろ見て、まずこれから読んでみた。

名前と作品名がすぐに結びつかなかったんだけど、『アンダー・ユア・ベッド』を書いた人なんだねー。

アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫) -
アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫) -

ネットで読んだ怖い話のひとつに、友だちの家に泊まった女子の話があって。
夜、友だちの部屋に帰ってきて、友だちはベッドに寝て、じぶんは床に寝るのね。
そしたら、友だちが寝てるベッドの下に人がいることに気づいて……。
っていう、ぎゃーっ、って鳥肌たつような怖い話。

『アンダー・ユア・ベッド』は、そんなかんじで、ある女性のベッドの下に潜む男の人の話。
レーベルは角川ホラー文庫のホラー小説で、怖い話を期待してこれを読んだ。
そしたら、怖いんだけど、怖いだけじゃなくて、これはおもしろかった。

その記憶があったから、余計に大石圭さんの作品にそそられた。


この『愛されすぎた女』の表紙の後ろにあるあらすじは。

 三浦加奈30歳−−タレントとしては芽が出ず、今は派遣社員。そんな彼女の前に現れた岩崎。年収一億を超えるが四度の離婚歴がある。加奈は不安を感じつつも交際を重ね、美貌を武器に結婚に至る。高級品に囲まれた夢のような生活。やがて岩崎は加奈に異様なまでの執着を示し始める。彼の意思に背くと、暴力的なセックスと恥辱的な拘束が……。やめて! これ以上わたしに求めないで!


このあらすじは、加奈本人が「こんなことあったの」と語ってるみたいに、ものすごい加奈に都合がいいかんじの話に書かれてる。

加奈の目線でこの物語は進むんだけど。
わたしはぜんぜんこのヒロインに感情移入ができなかったため、彼女が結婚した「異様な執着を見せる」夫の岩崎を、そんなに「異様な悪者」的には捉えれなかった。

加奈という女性は、美貌だけが自慢なのね。
あとはからっぽ。

群馬の農村の農家の家庭に育った加奈は、そんな田舎生活に埋もれたくなくて東京に出てくる。
そして美貌を武器に芸能界で成功することを夢見て、プロダクションに所属して映画やドラマの端役についたり、いちばん華々しいキャリアはグラビアの水着モデルになったことぐらい。
だけどぜんぜん売れていかなくて、25歳になった時、プロダクションからアダルトビデオの仕事を振られるようになって芸能界を諦める。
その後はプロダクションを辞めて、派遣社員で事務職について、築30年のボロアパートでワープア的な暮らしを送ってて。

それ以上の努力はしないの。
じぶんは芸能界に留まる努力もしなかったけど、結婚するなら容姿なんてどうでもいいからお金のある男と結婚したい、っておもうのね。
それが唯一の希望になってて。

 結婚したい。ハンサムで、背が高くて優しくて、上品でお金のある男と……いや、たとえハンサムでなくても、たとえ背が低くても、あまり優しくなくても、多少は下品なところがあっても……とにかく、たっぷりとお金を持っている男と結婚したい。綺麗でスタイルのいい自分になら、それができるかもしれない……いや、絶対にできるはずだ。
///『愛されすぎた女』//著:大石圭


そんな加奈が30歳になって、お金持ちの男だけが登録しているという結婚紹介所を知り、じぶんの美貌ならイケるとおもって、お金持ちの男狙いで登録するの。
紹介所では相手の男には身長175cm以上、年収3000万円以上、を条件にする強気。
すると、紹介所の人からは、そういうスペックの男性は30歳のあなたを選ばない、とはっきり言われるのね。
加奈が望むような男性は、もっと若くて可愛らしい女性を妻にしたがる、って。
それと、加奈の実家がただの田舎農家だというのも選ばれない理由として挙げられる。
加奈が望むような一流の男は、家柄もじぶんに釣り合う妻を欲しがる、ってこと。

それでも加奈はひきさがらなくて。
貧乏な男と結婚するぐらいなら死んだほうがマシ、とまで言いきる。

そこまで言い切るぐらいなら、まだ30歳で美貌にも自信があるなら、じぶんで稼ぎだす方法をかんがえればいいのにー、っておもうけど。
この加奈さん、ほんとにじぶんは「じぶん磨き」の努力をする気はないの。

自慢の美貌だって、結婚してから夫に美貌の維持を要求されるんだけど、それすらめんどうにおもったりしてて。
美しく保つことの努力もめんどうなら、ほんとにこの人は、なーんにもしないで男の人にお金持ちの暮らしをさせてほしい、っておもうだけ。
こういう女性になーんにも感情移入ができなかったから、この人が結婚生活でどんな目にあっても、ハラハラもドキドキもしないで「ふーん、だったらリコンすればいいのにー」と醒めたきもちになっちゃう。

高望みの条件を提示した加奈さんは、その紹介所から年収一億の男、岩崎を紹介される。
紹介所では35歳なのに離婚歴が4回もあるワケアリ物件みたいな口調で紹介されるんだけど。

どうせブサイクな男なんだろう、とおもったら、この岩崎はものすっごいイケメン。

アメーバブログに書いたけど、わたしはこの岩崎のイメージがこの人になっちゃって。
こんなイメージ

この小説読んでるあいだずっと、出てくる岩崎はわたしのあたまの中ではターバン巻いてるの。
ターバンってイケメンの後光みたいな効果あるよね。

加奈さんのほうは、ピットブルおじさんのバックでくねくね踊ってるおっぱい美女ダンサーのイメージね。



こんな美女のモブの中のひとり、みたいなイメージ。
加奈さんはそんなにおっぱいはおおきくなかったけど。

岩崎という男は妻にした加奈に好きなだけ贅沢をさせる。
結婚前に加奈は薄給なのに物欲をおさえれなくて三百万ぐらいの借金があった。
それを岩崎は呆れたりしないで、「たったそれだけ?」って笑って、あっさり完済してあげる。

結婚式はバリ島で。
そこに加奈の家族や友だちを岩崎が費用をぜんぶもって招待する。
泊まるのは高級ホテルのいちばん高いヴィラ。
飛行機はファーストクラス。
加奈は2人しか友だちを呼ばなかったけど、岩崎は何十人呼んでもいい、って言ってる。
みんな、ちゃんとスイートルームを用意するから、って。

お金に関してぜんぜんケチじゃない。

だけど、やっぱりそんな夢みたいなお金持ちとの結婚には罠があって。

贅沢はさせてくれるけど、加奈には現金を一切持たせない。
クレカだけ与えて、それをつかうのは自由。
買い物が好きなだけできる、っていう醍醐味はあるけど、すべて履歴は岩崎に把握されるし、岩崎に内緒のお金はまったく持てない。

それと、これがこの物語のメインになるんだけど。
岩崎は性的に倒錯した変態だったのね。
この夫婦のえっちのシーンは、官能小説的。それも変態系の。
結婚初夜、処女でもなかった加奈の「はじめて」のものを欲しがる岩崎は、加奈のお尻のバージンをムリヤリ奪っちゃう。
それもコンドームつけないでインサートして、それをそのまま加奈の口にくわえこませて。

これが岩崎の大好きな行為なので、その後もなんども出てくる。
衛生的にどうなのー、って、いちいち突っ込みながらわたしは読んでたけど。

ほかにももっと岩崎は加虐的なプレイばかりする。
加奈はそういうえっちがイヤで、岩崎と結婚したことを後悔していく。

なにもかもがんじがらめに夫から管理された「檻の中」暮らしの加奈は、岩崎が4度も離婚した理由がわかってくるのね。
どんなお金持ちでも、こんな人権もなにもない暮らしがイヤになって、加奈はその結婚生活から抜け出そうとかんがえていく。

ここからがサスペンスっぽくなる。
けど。
あんまりハラハラもしない。

ストーリー的にはぜんぜんちがうけど、夫から逃げ出そうとする妻と、その妻を追い詰める夫、っていう設定でハラハラしておもしろかったのは、映画『ダイヤルM』。
あれも夫のあたまはおかしかったよねー。(性的な倒錯はなかったみたいだけど)

ダイヤルM [DVD] -
ダイヤルM [DVD] -

あの映画みたいにおもしろくさせれる設定だとおもうのに、残念ながら、この小説はぜんぜんそこがうまくいってなかった。

この小説、ほんとはブログに感想を書くつもりはなかった。
その理由は、わたしの評価が低すぎたから。

作家さんの名前を出してこんなこと言うのは失礼だとおもうけど。
文章にあるクセがあって、端的に言えば、あまりうまいとは言えない文章。
このクセは読んでいればイヤでも気になってくる。
「あ、また」っておもうぐらい、なんどもなんどもこのクセが出てくる。

本人や編集者さんはなんども原稿を読み直していろいろチェックいれてるとおもうのに、なんでこのクセのぶぶん、直そうとしなかったんだろ。

丁寧に推敲されてない、っていう印象がしちゃうんだよね。
とくに終盤。

ほかにもいろいろ突っ込みどころもおおくて。
だいたい、加奈が岩崎から逃れきれない、っていう切迫感が、読み手にはリアルにかんじれなかった。
逃げればいいじゃん、っておもうだけ。
それ、充分に可能だとおもうし。

どうしても逃げれないわけではないのに、なんでラストまで加奈は岩崎につきあうのかなー、ってナゾなきもちになってきて。
だから折角のラストがクライマックスとして盛り上がらなかったんだよね。

それに、加奈は岩崎がイヤになっても、子どもを産むことはかんがえてて。
子どもを産めば、離婚しても岩崎から莫大な養育費がとれる。
それは子どものいる前妻たちの例があるので、加奈はそれを狙うの。

このヒロインにぜんぜん感情移入できなかったのは、そういう性格。

なんにも努力しないで、30になって若さの価値もなくなった頃、美貌だけを武器にお金持ちと結婚して贅沢なしあわせをただ欲しがってて。
それが叶ったけど、夫は理想通りの優しい王子様とはちがってて、夫からいろいろ要求される妻のつとめ(毎日きちんと手のこんだ料理をつくってほしい、ってことと、エステに通って美貌を保ってほしい、ってこと)すら、めんどうで仕方ない。
美貌しかウリがなかったのに、その美貌すら結婚後は保つ努力もしたくないの。
料理は家政婦に任せたい。エステ通いもめんどくさい。
だけど、贅沢な結婚生活はつづけたい。
そうおもってるだけなんだよね。
岩崎の性的倒錯がどうしてもガマンできなくなって、加奈は昔、将来性がないからって捨てた元カレに助け出してもらおうとする。
元カレすら、加奈は身勝手に利用するだけ。
それも失敗して、岩崎から逃げ出すことかんがえても、離婚したあとも岩崎から莫大なお金をしぼりとりたい欲を捨てきれない。

こんな女の人に「逃げてー。助かってー」なんて応援する気になんないよね。
わたしはむしろ、岩崎の方が「ハズレの妻」をつかまえちゃったよねー、としかおもわなかった。

岩崎は確かに変態。
人格障害みたいなのもあるし。
だけど、かんがえようによったら、こういう男とうまくいく女もいるとおもった。

倒錯した性的調教が好きなMの女。
『O嬢の物語』みたいに、男がじぶんの女を調教する、なんて話はいろいろあるし。

無制限な自由はないけど、檻の中ではかなり自由。
これもかんがえたら、夫のお金でのほほんと暮らしたいだけの「養われたい女」だったら、そんなに苦痛ないかも、っておもった。
実際、ひきこもりみたいな主婦いるじゃん。
じぶんは外を出歩くのは好きじゃなくて、働くのも好きじゃなくて、家にいたくて。
だから夫が養ってくれたら、それだけでしあわせ、みたいな人。
まして、岩崎はクレカでどんなハイブランドのアイテムでも好きなだけ買わせてくれる。

岩崎が奪う自由は、妻のカラダを好きにしたい、ってことと、妻の行動を管理したい、というだけで、それ以外の妻の物欲や食欲は好きなように満たさせてる。
岩崎みたいな変態のお金持ちと結婚してしあわせになれるタイプの女もいるとおもうんだよねー。

たまたま加奈はそうじゃなかった。
岩崎がいままで選んできた女たちも、岩崎に支配される悦びをかんじるようなマゾではなかった。

マッチングの問題、だよねー、っておもいながら読んでた。
夫婦の相性、ともいえる。
つまりは相性がよくなかった夫婦の悲劇、にすぎない話だともおもう。

イケメンなんだし、ふんだんにお金があるんだから、岩崎はじぶんの好みの妻をじぶんで育てればよかったのに。
努力はしたくないけど欲望は満たしたい、っていう中身がからっぽの30歳の借金持ちの加奈を妻にしなくちゃいけない理由がぜんぜんわかんなかった。

いろいろしらけたきぶんで「加奈のピンチ」を読んでて、さいごのほうはほとんど、「ここまで読んだんだから最後まで読んじゃう」って惰性で読んでたんだけど。

ラストシーンと、あとがき、で、いきなりガタガタって椅子から崩れ落ちるような感覚に襲われた。

あれ?
そんな話だったの?
加奈って、そんなキャラクターだったの?

っていう、「は?」ってなるの。終盤でいきなり。

あとがきなんて、感動しちゃったからねー。

 人は何のために生きているんですか?
///『愛されすぎた女』・著:大石圭・作者あとがきより


こんな読者からの問いかけが、あとがきに書かれてる。
それに対して、50歳になった作者がその答えを書いている。

今夜は雪になるという冷たい雨の降る真冬の庭で、作者が撒いた餌を食べているスズメたち。
そこにいるスズメたちの何羽かは、明日の雪が積もれば、もう生きていないかもしれない。

そのスズメたちに作者がおもうこと。

それがあとがきに書かれていて、これを読んだら静かな感動が湧いて。
作者の死生観は、わたしの感覚と近いものがあったから、余計にこのあとがきはこころにしみた。


だーけーどー。


え?
そういう物語だったっけ?

っていう、「はあ?」って声が出ちゃうおどろきにも襲われる。

ラストは映画『オープン・ウォーター2』的なかんじになる。

オープン・ウォーター2 [DVD] -
オープン・ウォーター2 [DVD] -

そこで加奈が選んだ選択。
それはとても感動的な選択で。

その選択から、あとがき、に繋がる。


だーけーどー。


え?
そういう物語だったっけ?

っていう、ものすごいびっくり感があったんだよねー。

だって。
ぜんぜんそういう物語とはぜんぜんちがうとおもってて読んでたから、いきなりのそのラストとあとがきにそれまでのストーリーがぜんぜん繋がらない。

っていうのが、わたしの読後感。

ラストのシーンに作者が酔いすぎて、いきなり物語全体のテーマが変わっちゃったよねー。
みたいな、ものすごいギャップがあった。

わたし、これがおもしろかったんだよね。
小説としてヘタなのかもしれない。(ほんと、失礼なこと言ってるけど)

だけど、書いているうちに書き手の感情が文章に移入していくさま、みたいなのを生々しくかんじれて。

この作者のある文章のクセも、じぶんが文章の流れに酔ってる勢い、ともとれる。
だから、読み返しても、そのクセを修正しようという感覚も湧かなかったのかも。

この作者が、けっしてヘタクソな人、ではないのは『アンダー・ユア・ベッド』で証明してる。

小説は、その物語からじぶんが離れた位置にいないと書けない。
『愛されすぎた女』は、たぶん、作者がその距離を縮めちゃったせい、なんだとおもう。
無意識に、だとおもうけど。

執筆時間があまりかかってないのかな、っていう印象もある。
(とくに終盤)
夜更けに一気に書き上げた、っていうかんじ、かな。

夜中に書くメールはそのまま送信しないで朝になって読み直せ、とかいうけど。

この小説の終盤も、そんな夜中に一気に書き上げて、あたまが朝にならないまま脱稿させちゃったのかなー、っていう印象。
あくまでも、わたしのかんじたイメージでしかないけど。

なんかそれぐらい、ラストにこんな感動が用意されてる物語とはぜんぜんおもえない小説だったから、まったく想定外の位置に着地した結末、にびっくりした。

文章を書く人なら、作者が終盤でじぶんの文章に巻き込まれていく勢い、がかんじれるかも。
オープン・ウォーターみたいに、這い上がれないじぶんの文章に溺れて沈んでいく、みたいな。

突っ込みどころもいろいろある話だったけど。
いちばん気になったのは。

年収1億、って、そんなにものすっごーーーーーいお金持ち?
びんぼーなわたしには、ものすごいお金持ち、だけど。

岩崎がいろいろやってる贅沢なこと見てると、それだと年収1億ぐらいじゃ足りないよねー、ってかんじた。
フツーよりはぜんぜん贅沢な暮らしは送れるとおもうけど。
1億ぐらいじゃ、その限度はあるよねー。

これはわたしがびんぼーすぎて、1億の価値がちゃんとわかってないだけかも。


あ。あともうひとつ、すっごい突っ込みたいとこがあった。

あの家政婦、いったいなんだったの?
(読んだ人はみんなそうおもうとおもうー)

なんかすごい意味ありそうで、けっきょく、あたまにたーくさんの「?」が飛び散らかっただけだったよねー。
よくわかんない存在。
作者も、存在の意味、まで描くの、忘れてたんじゃないのー、っておもっちゃう。



この作者のほかの作品もいろいろ見てみたけど。
ざっくりまとめたあらすじで「?」っておもうものがあった。

地下牢の女王 (光文社文庫) -
地下牢の女王 (光文社文庫) -
熱狂的ファンからのメールに添付された写真。その美貌に小説家の目は釘づけになった。メールのやり取りを重ね、近づいてゆく距離…。そして女の自宅へと招かれた夜。甘美な期待は、恐怖と絶望へと一変した!女は薬で眠らせた彼を地下室に監禁したのだ。―私が発表するための小説を書きなさい。拒めば、身の毛もよだつ責め苦が待っていた。狂気の監禁劇。


あの夜にあったこと (角川ホラー文庫) -
あの夜にあったこと (角川ホラー文庫) -
21歳の優也は、幼なじみの啓太と共に派遣従業員として工場で働いている。異様な愛情を注いでくる母を拒絶しきれない優也。金持ちに敵愾心を抱く父に育てられた啓太。鬱屈した思いを抱えた2人は、裕福な院長夫妻と美しい娘が暮らす「山下医院」の豪邸に、強盗に入ることを計画。だがはずみで家政婦を殺してしまったことから、2人の行動は徐々に歯止めがきかなくなっていく…!あの夜何が起こったのか。戦慄のサスペンス。


『ミザリー』と『冷血(高村薫さんの)』の大石圭版、みたいにネットで紹介されてた。

あらすじだけ見ると、かなり大胆にストーリーが似てるんだけど。
これをどんなふうに、大石圭さんの作品として創られているのか気になったから、これも読んでみたい。
ミザリーと冷血はどっちもわたし、好きなんだよね。








posted by みかみか at 18:47| バンコク | 読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月04日

【く】黒い家

※はてなの3つ目ブログから転載です。

「しりとりぶっく」のカテゴリーは本のタイトルをしりとりで繋げて、その本のこといろいろ書くシリーズです。
前回は初回なので、記事のタイトルからしりとりしてます。
◇ ◇ ◇


これは読んだことある本。

黒い家 (角川ホラー文庫) -
黒い家 (角川ホラー文庫) -
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。



これは小説を先に読んでから映画も見た。
「ホラー小説大賞」の大賞を受賞するはずだよねー。
っていうぐらい、ものすごい怖かった。

どっちもまだ読んだり見てない人は、小説から読むのをお勧め。
映画はホラー色の演出がけっこうアクが強いんだけど、小説が先だったわたしにはキャラクターイメージにギャップがあって、映画にはちょっと戸惑ったから。

保険屋さんの主人公が殺人を疑った保険金請求の件で対峙する夫婦(首吊りした子どもの親)が、映画だとものすごい異様なインパクトあるキャラクターに仕立てられてる。
でも原作はそこまでの異様さは出さず、じわじわした怖さをかんじる人物像だから、こっちの方がリアリティをかんじる。

だけど、映画は映画の怖さがある。
さいしょはほんとに「いかにも」っていうホラーっぽいキャラクターの演出に馴染めなくて、この映画ハズレかなー、なんておもったんだけど。
主人公が調査していく夫婦っていうのは、映画では大竹しのぶさんと西村雅彦さんがやってて、こういうのを怪演っていうんだとおもう。
見ていくうちに、ふたりの「ものすごいホラー色」の臭さをかんじなくなって、ふたりの異様さに自然にひきこまれていっちゃうの。
それだけこのふたりの演技力がすごいんだよね。

ただ、この怪演の怖さと小説の怖さは別モノなので、言ってみればスティーヴン・キングの『シャイニング』の小説と映画みたいに、「ちがう作品」としてとらえたほうがいいかも。

だからこそ、さいしょは小説の方を読んで、この物語のオリジナルのホラー性を知ったほうが、映画ももっとたのしめるとおもった。

わたしがこの物語でいちばん怖かったのは、小説と映画両方とも、さいしょに主人公が子どもの首吊りを発見するとこ。
映画だとこれが「映像」だから、こういう場面にいろいろトラウマがある人は映画見ない方がいいかも、って心配になるぐらいにものすごい怖い。

貴志さんはこれが初めて読んだ作品で、ほかには『天使の囀り』と『青の炎』読んで、『悪の教典』は単行本で持ってるけどこれは未読。
読みたいんだけど、いろいろ読みたい本が溜まりすぎてて、まだそこまで辿りついてないのです。

わたしが読んだ3作の中では『黒い家』がダントツに怖い。
『天使の囀り』も「角川ホラー文庫」のホラー小説で怖いんだけど、これはなんか背中がムズムズぞわぞわする「きもちわるさ」が含まれた怖さ。

『青の炎』はホラーじゃなくて、ミステリーなのかな。
これは主人公がまだ17歳の高校生で、彼が人を殺して、それを警察が追い詰めていく、って話なんだけど。
ものすごい切ない。
切なすぎて、さいごはものすごい泣けて、こんなラストになってしまった読後感のわるさが残る。(だけどこれは名作)

貴志さんの小説はわたしの好み。
だからほんとはぜんぶ読みたいんだよねー。

貴志さんをまだ読んだことない人に、さいしょの一冊を勧めるなら。
まだ3作しか読んでないけど、わたしは『黒い家』から読んで、っておもう。
こんなに「怖い人間」を描けるの、すごい。
よく、幽霊や化け物より生きている人間のほうが怖い、っていうけど。
ほんとに、こんなに怖ろしい人間性があることに、ゾッとしちゃう。

「ニンゲン」が怖くなる小説だよねー。





次は【え】。

posted by みかみか at 17:03| オーランド ☁| しりとりぶっく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【し】しりとりぶっく

無料版は3つまでブログ作れるので、もひとつ作ってみた。
なにかテーマ縛りでブログを書いてみたくて。
まえに記事タイトルをしりとりで繋げていくブログを作ったことある。
結局それは途中で気が変わって、ただの日記ブログに作りかえちゃったけど。


って、はてなで3つ目のブログつくったのに、はてなで書けなくなっちゃったから、そのブログでやるつもりだったのはこのブログに混ぜて「しりとりぶっく」のカテゴリーに書いていくことにするねー。
はてなのはすごいかわいいブログデザインを見つけて、すごい気に入ってたのにー(;_;)


ここからははてなで既に書いたことの転記。
↓ ↓ ↓


しりとりで繋げていくのはたのしそう、っておもったけど、そんな試みは既にいろんな人がやってそうだよね。
ブックオフに行ったら、こんな本見つけたし。

しりとりえっせい (講談社文庫) -
しりとりえっせい (講談社文庫) -


買ってきて、いくつかぺらぺら読んでみた。
らもさんって、わたしは名前しか知らなくて。
いろんな人がおもしろいよー、って言うので一度読んでみたかったから、ちょうどいい機会。

でも、いくつか読んだだけで、いろいろ知らないことばかり出てきた。
「キャバレー」とか、落語家のなまえとか昭和の芸能人とか。
エリック・サティやジャニス・ジョプリンは知ってるけど、上岡龍太郎さんとかゴーバンズとか知らない。

その当時は(たぶん)だれでも知ってるようなことでも、ずっとあとでちがう世代の人に読まれると、いろんな時代性のある単語はぜんぜん意味が通じない記号になっちゃうね。



…なんてかんじで、このブログ(※シーサーでは「しりとりぶっく」のカテゴリー)ではしりとりでいろんな本のタイトルを繋げて、いろいろ好きなこと書いてみようとおもう。

わたしは知らないことが多すぎて、本を読むのは好きなのに読むのがすごい遅いし、知らない本や作家がたーくさん存在してる。

だから、しりとりで繋げていくことにしても、ぜんぜん、その一文字からはじまる本のタイトルがおもいつかないこともあるとおもう。

ほんとにぜんぜんおもいつかなかったら、実在しない本を捏造しちゃうかも。

おもいついた本をぜんぜん読んでなくても、その本について、とか、その本でおもいついたこととか、いろいろ勝手に書きたいこと書いてってみる。
いろんな本を思いついたり探したりすることで、じぶんの読書欲を掻きたてていきたいともおもうし。


「しりとり」って、だれが考えた遊びだろ。
単純だけどものすごいいろいろ幅広く遊べてたのしい。
しりとり考えついた人はノーベル平和賞とってもいいとおもう。
だれでも、いろんな言語が混ざってても、すごいシンプルに語尾を繋げるだけでたのしく遊べるもんね。



次は【く】。

posted by みかみか at 16:49| オーランド ☁| しりとりぶっく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。