2016年06月26日

このブログはおしまい

この「ひまつぶしのーと」のブログはタイトルを変えたくなったので、ついでにシーサー内でお引っ越し。
このURLではもう更新しません。

ここを読んでくださってありがとうございます。

気まぐれにしょっちゅうブログの引っ越しをしてるけど、ツイッターはいまのままです。
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2016年04月05日

積ん読摩天楼

いろいろと「だらしないオバケ」に憑依されて(だから、わたしのせいじゃない)、いろいろとだらしなく暮らしてるので(オバケのせい)、買ってきた本とかも、ぜーんぜんきれいに整理整頓されたりしない(他人事のよう)。

本棚はあるんだけど。
お金のないわたしがだいたい本を買うのはブックオフがおおくて。
だから、「買ってきた本」は、だいたい青いビニール袋にはいってる。
帰ってきてからも、買った数冊を袋からだすとバラバラに散らばるのを怖れて(ぜんぶすぐにしまおうという感覚がだらしないオバケのせいで消滅中)、青い袋にいれたままにしとく。

読むときにそこから取りだして、読んだら本棚にしまおう、っていう計画。

だけどー。
袋にいれたままだからー。
読みたいときー。
読みたい本がー。
どの袋にはいってるかー。
すぐにー。
見つかんないー。

これ、袋にいれたままの積ん読の注意点ね。

積ん読用の本棚でもあるといーよねー。
なんておもったら。

こんなの、あるんだねー。
https://www.google.co.jp/search?q=%E7%A9%8D%E3%82%93%E8%AA%AD%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC&biw=1554&bih=721&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiT6e626fbLAhVBk5QKHYYQDKQQ_AUIBygB

「積ん読タワー」の画像検索結果だけど、正確には「ブックタワー」って言うみたい。
これだと、積んだ本がちゃんと一目瞭然で、読んだ分減っていくのもわかるから消化率あがりそう。

ほしい。ほしい。ほしい。ほしい。ほしい。

だけどー。
高いー。

こんなタワー、1本で足りるわけないじゃん。(わたしの場合)
うちにある積ん読の在庫をぜんぶタワー化したら、積ん読マンハッタンが家の中にできるよー。

というわけで、本の摩天楼化は経済的な理由で実現できなさそうなので、わたしんちでは袋を積み上げる土嚢式を採用しつづけます。
土嚢のように積み上げて、なにを堰き止めているかっていうと、貧乏神を追い払ってくれる金運の神さまとか、バカが治る知恵の神さまとか、そんなもんが青い袋の土手に阻まれてわたしのとこまで到達してくれないかんじ。

きょうも、なんとなくえっちいな本が読みたくてブックオフに行った。

読みたいなー、ってなんとなくおもう「えっちいな本」っていうのは。
バリバリの官能小説とかじゃなくて。
えっち行為がものすごい詳細にオノマトペ入りで書かれてるようなのじゃないやつ。
フツーの小説の棚で売られてるんだけど、なんかえっち、っていうかんじの小説が読みたかった。

でも、そんなのどこから探していいのか膨大な文庫をまえにして一瞬で途方に暮れたので。
いろいろ書棚のあいだを歩きながら、目についた本をカゴに入れて、レジに行くまえにその中から吟味して、予算の都合とかで「却下」されたものを書棚に戻しにまわって、それでレジに持ってった数冊を購入。

やっぱり青い袋にいれてくれるので、それを車の助手席にぽんと投げて、運転して帰ってきて、家についたら青い土嚢がたーくさんある部屋にぽんと投げ入れて(ここでいろいろとまちがってる気がする)、なんかこれで知的度がアップした気になって満足。

けっきょく、えっちいな本は買ってないんだけどねー。

きょう、あたらしく増えた青い土嚢の中身。
(※アマゾンのリンクはわたしのアフィリエイトではありません)


「拷問・処刑」戦慄の世界残酷史 (ぶんか社文庫) -
「拷問・処刑」戦慄の世界残酷史 (ぶんか社文庫) -
(画像ないみたい)

こういう拷問の本って、読めるときと、ものすごい拒絶しちゃうときと、精神状態によってぜんぜんちがう。
きょうは、なんとなく読んでもいいかな、っていうきぶんになってたから、つい買っちゃった。
108円だし。
読んでてきぶんわるくなったら、そこでやめちゃうし。


American Pie―Slice of Life Essays on America and Japan -
American Pie―Slice of Life Essays on America and Japan -

内容紹介:
NHK「ラジオ英会話」のテキストで好評連載中の英文エッセイが一冊に。日本通の著者ならではの鋭い視点で描く、アメリカとニッポン。1編が600ワード前後なので、短い時間を利用して気軽に読める一冊。

中学生程度の英語力があれば、辞書なしでも読める平易な文章。難しい単語が出てきたときも、言い換えなどがされていて、前後を読めば日本語の解説がなくても推測がつきます。

だってー(^_^)←中学生程度の英語力もない人

たぶん。
いつか。
読めるはず。


二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 -
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 -

これ、このまえ読もうとおもったら、ぜんぜん見当たらなくて。
お母さんがずーっとまえに定価で買ってたんだよねー。
でも、お母さん、これは持ってっちゃったのかも。
だから、108円で見つけたから買った。

文庫じゃなくて、新書サイズで、ページが黄色いの。
外国のレポートパッドみたい。
表紙がなくて黄色い紙のやつ。

黄色って目にやさしくない気がするけど、やさしいのかなー。


そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫) -
そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫) -

森博嗣さんを読んでみたいとおもってたので、これはタイトルに惹かれて。
でも、アマゾンのレビューだとあんまり評価が高くないねー。

でもでも、いいの。
108円だし。
積ん読の土嚢から、いつ発掘されるかわかんないし。


タイムクエイク -
タイムクエイク -

村上春樹に影響を与えた7人の作家たち

ヴォネガットを読んで、わたしも村上春樹になるー。

ってことで、買ってみた。
表紙、かわいかったし。
でも、ヴォネガットを一冊も読んだことのないのに、この人の最後の作品から読んでもヘーキ?


ユルスナールの靴―須賀敦子コレクション (白水uブックス―エッセイの小径) -
ユルスナールの靴―須賀敦子コレクション (白水uブックス―エッセイの小径) -

ユルスナール⇒ユリスモール⇒トーマの心臓?

なーんて発想になっちゃうほど、わたし、ユルスナールって知らなかった。
わたしは知らない作家がおおすぎる。

須賀敦子さんも名前ぐらいしか知らなくて。
だけどさいきん、ネットでもリアルでも、偶然にも須賀さんの話題を見聞きして。
文章がとてもきれい、って、みんな言うのね。
だからいちど読んでみたいなー、っておもったから、これ見つけてすぐカゴに入れた。


ライディング・ザ・ブレット -
ライディング・ザ・ブレット -

さいしょは電子出版のみ、での発表だったんだって。
それが、ものすごい人気で、世界で4か国(日本含む)だけ書籍での翻訳出版が認められたんだって。

これ、表紙が赤い字のと青い字のがあって。
なにがちがうのー?っておもって中を見たけど、中はおなじっぽいから、なんとなく赤いほうだけ帯がついてたから赤いの買ってきた。
ネットで見てもよくわかんなかったけど、青の表紙は限定版みたい。
よくわかんないまま、あとで青も買ってこよう。



本を買うとしあわせなきぶんになる。
買うだけでしあわせになっちゃうから、それで満足しちゃうんだよねー。

買った本は読まないでいると虫歯が痛くなるとかっていう仕様だとちゃんと読むのに。



posted by みかみか at 16:59| バンコク ☀| 読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月28日

『愛されすぎた女』を読んだ。

※文中のアマゾンのリンクはどれもわたしのアフィリエイトではありません。


愛されすぎた女【徳間文庫】 -
愛されすぎた女【徳間文庫】 -

フランス書院系のバリバリの官能小説ではなくて、なんとなくえっちいな小説読みたいなー、っておもってたら。
本好きの人が、大石圭さんの話を出して。
どんな作品書いてる作家さんだろう、って調べてみたら、えっちっぽい小説みたいなかんじがしたから(その本好きの人はえっちな本を勧めてくれたわけではない。風変りなサスペンス小説書く人、って説明してたの)、それでキョーミそそられて。

いろいろ見て、まずこれから読んでみた。

名前と作品名がすぐに結びつかなかったんだけど、『アンダー・ユア・ベッド』を書いた人なんだねー。

アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫) -
アンダー・ユア・ベッド (角川ホラー文庫) -

ネットで読んだ怖い話のひとつに、友だちの家に泊まった女子の話があって。
夜、友だちの部屋に帰ってきて、友だちはベッドに寝て、じぶんは床に寝るのね。
そしたら、友だちが寝てるベッドの下に人がいることに気づいて……。
っていう、ぎゃーっ、って鳥肌たつような怖い話。

『アンダー・ユア・ベッド』は、そんなかんじで、ある女性のベッドの下に潜む男の人の話。
レーベルは角川ホラー文庫のホラー小説で、怖い話を期待してこれを読んだ。
そしたら、怖いんだけど、怖いだけじゃなくて、これはおもしろかった。

その記憶があったから、余計に大石圭さんの作品にそそられた。


この『愛されすぎた女』の表紙の後ろにあるあらすじは。

 三浦加奈30歳−−タレントとしては芽が出ず、今は派遣社員。そんな彼女の前に現れた岩崎。年収一億を超えるが四度の離婚歴がある。加奈は不安を感じつつも交際を重ね、美貌を武器に結婚に至る。高級品に囲まれた夢のような生活。やがて岩崎は加奈に異様なまでの執着を示し始める。彼の意思に背くと、暴力的なセックスと恥辱的な拘束が……。やめて! これ以上わたしに求めないで!


このあらすじは、加奈本人が「こんなことあったの」と語ってるみたいに、ものすごい加奈に都合がいいかんじの話に書かれてる。

加奈の目線でこの物語は進むんだけど。
わたしはぜんぜんこのヒロインに感情移入ができなかったため、彼女が結婚した「異様な執着を見せる」夫の岩崎を、そんなに「異様な悪者」的には捉えれなかった。

加奈という女性は、美貌だけが自慢なのね。
あとはからっぽ。

群馬の農村の農家の家庭に育った加奈は、そんな田舎生活に埋もれたくなくて東京に出てくる。
そして美貌を武器に芸能界で成功することを夢見て、プロダクションに所属して映画やドラマの端役についたり、いちばん華々しいキャリアはグラビアの水着モデルになったことぐらい。
だけどぜんぜん売れていかなくて、25歳になった時、プロダクションからアダルトビデオの仕事を振られるようになって芸能界を諦める。
その後はプロダクションを辞めて、派遣社員で事務職について、築30年のボロアパートでワープア的な暮らしを送ってて。

それ以上の努力はしないの。
じぶんは芸能界に留まる努力もしなかったけど、結婚するなら容姿なんてどうでもいいからお金のある男と結婚したい、っておもうのね。
それが唯一の希望になってて。

 結婚したい。ハンサムで、背が高くて優しくて、上品でお金のある男と……いや、たとえハンサムでなくても、たとえ背が低くても、あまり優しくなくても、多少は下品なところがあっても……とにかく、たっぷりとお金を持っている男と結婚したい。綺麗でスタイルのいい自分になら、それができるかもしれない……いや、絶対にできるはずだ。
///『愛されすぎた女』//著:大石圭


そんな加奈が30歳になって、お金持ちの男だけが登録しているという結婚紹介所を知り、じぶんの美貌ならイケるとおもって、お金持ちの男狙いで登録するの。
紹介所では相手の男には身長175cm以上、年収3000万円以上、を条件にする強気。
すると、紹介所の人からは、そういうスペックの男性は30歳のあなたを選ばない、とはっきり言われるのね。
加奈が望むような男性は、もっと若くて可愛らしい女性を妻にしたがる、って。
それと、加奈の実家がただの田舎農家だというのも選ばれない理由として挙げられる。
加奈が望むような一流の男は、家柄もじぶんに釣り合う妻を欲しがる、ってこと。

それでも加奈はひきさがらなくて。
貧乏な男と結婚するぐらいなら死んだほうがマシ、とまで言いきる。

そこまで言い切るぐらいなら、まだ30歳で美貌にも自信があるなら、じぶんで稼ぎだす方法をかんがえればいいのにー、っておもうけど。
この加奈さん、ほんとにじぶんは「じぶん磨き」の努力をする気はないの。

自慢の美貌だって、結婚してから夫に美貌の維持を要求されるんだけど、それすらめんどうにおもったりしてて。
美しく保つことの努力もめんどうなら、ほんとにこの人は、なーんにもしないで男の人にお金持ちの暮らしをさせてほしい、っておもうだけ。
こういう女性になーんにも感情移入ができなかったから、この人が結婚生活でどんな目にあっても、ハラハラもドキドキもしないで「ふーん、だったらリコンすればいいのにー」と醒めたきもちになっちゃう。

高望みの条件を提示した加奈さんは、その紹介所から年収一億の男、岩崎を紹介される。
紹介所では35歳なのに離婚歴が4回もあるワケアリ物件みたいな口調で紹介されるんだけど。

どうせブサイクな男なんだろう、とおもったら、この岩崎はものすっごいイケメン。

アメーバブログに書いたけど、わたしはこの岩崎のイメージがこの人になっちゃって。
こんなイメージ

この小説読んでるあいだずっと、出てくる岩崎はわたしのあたまの中ではターバン巻いてるの。
ターバンってイケメンの後光みたいな効果あるよね。

加奈さんのほうは、ピットブルおじさんのバックでくねくね踊ってるおっぱい美女ダンサーのイメージね。



こんな美女のモブの中のひとり、みたいなイメージ。
加奈さんはそんなにおっぱいはおおきくなかったけど。

岩崎という男は妻にした加奈に好きなだけ贅沢をさせる。
結婚前に加奈は薄給なのに物欲をおさえれなくて三百万ぐらいの借金があった。
それを岩崎は呆れたりしないで、「たったそれだけ?」って笑って、あっさり完済してあげる。

結婚式はバリ島で。
そこに加奈の家族や友だちを岩崎が費用をぜんぶもって招待する。
泊まるのは高級ホテルのいちばん高いヴィラ。
飛行機はファーストクラス。
加奈は2人しか友だちを呼ばなかったけど、岩崎は何十人呼んでもいい、って言ってる。
みんな、ちゃんとスイートルームを用意するから、って。

お金に関してぜんぜんケチじゃない。

だけど、やっぱりそんな夢みたいなお金持ちとの結婚には罠があって。

贅沢はさせてくれるけど、加奈には現金を一切持たせない。
クレカだけ与えて、それをつかうのは自由。
買い物が好きなだけできる、っていう醍醐味はあるけど、すべて履歴は岩崎に把握されるし、岩崎に内緒のお金はまったく持てない。

それと、これがこの物語のメインになるんだけど。
岩崎は性的に倒錯した変態だったのね。
この夫婦のえっちのシーンは、官能小説的。それも変態系の。
結婚初夜、処女でもなかった加奈の「はじめて」のものを欲しがる岩崎は、加奈のお尻のバージンをムリヤリ奪っちゃう。
それもコンドームつけないでインサートして、それをそのまま加奈の口にくわえこませて。

これが岩崎の大好きな行為なので、その後もなんども出てくる。
衛生的にどうなのー、って、いちいち突っ込みながらわたしは読んでたけど。

ほかにももっと岩崎は加虐的なプレイばかりする。
加奈はそういうえっちがイヤで、岩崎と結婚したことを後悔していく。

なにもかもがんじがらめに夫から管理された「檻の中」暮らしの加奈は、岩崎が4度も離婚した理由がわかってくるのね。
どんなお金持ちでも、こんな人権もなにもない暮らしがイヤになって、加奈はその結婚生活から抜け出そうとかんがえていく。

ここからがサスペンスっぽくなる。
けど。
あんまりハラハラもしない。

ストーリー的にはぜんぜんちがうけど、夫から逃げ出そうとする妻と、その妻を追い詰める夫、っていう設定でハラハラしておもしろかったのは、映画『ダイヤルM』。
あれも夫のあたまはおかしかったよねー。(性的な倒錯はなかったみたいだけど)

ダイヤルM [DVD] -
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あの映画みたいにおもしろくさせれる設定だとおもうのに、残念ながら、この小説はぜんぜんそこがうまくいってなかった。

この小説、ほんとはブログに感想を書くつもりはなかった。
その理由は、わたしの評価が低すぎたから。

作家さんの名前を出してこんなこと言うのは失礼だとおもうけど。
文章にあるクセがあって、端的に言えば、あまりうまいとは言えない文章。
このクセは読んでいればイヤでも気になってくる。
「あ、また」っておもうぐらい、なんどもなんどもこのクセが出てくる。

本人や編集者さんはなんども原稿を読み直していろいろチェックいれてるとおもうのに、なんでこのクセのぶぶん、直そうとしなかったんだろ。

丁寧に推敲されてない、っていう印象がしちゃうんだよね。
とくに終盤。

ほかにもいろいろ突っ込みどころもおおくて。
だいたい、加奈が岩崎から逃れきれない、っていう切迫感が、読み手にはリアルにかんじれなかった。
逃げればいいじゃん、っておもうだけ。
それ、充分に可能だとおもうし。

どうしても逃げれないわけではないのに、なんでラストまで加奈は岩崎につきあうのかなー、ってナゾなきもちになってきて。
だから折角のラストがクライマックスとして盛り上がらなかったんだよね。

それに、加奈は岩崎がイヤになっても、子どもを産むことはかんがえてて。
子どもを産めば、離婚しても岩崎から莫大な養育費がとれる。
それは子どものいる前妻たちの例があるので、加奈はそれを狙うの。

このヒロインにぜんぜん感情移入できなかったのは、そういう性格。

なんにも努力しないで、30になって若さの価値もなくなった頃、美貌だけを武器にお金持ちと結婚して贅沢なしあわせをただ欲しがってて。
それが叶ったけど、夫は理想通りの優しい王子様とはちがってて、夫からいろいろ要求される妻のつとめ(毎日きちんと手のこんだ料理をつくってほしい、ってことと、エステに通って美貌を保ってほしい、ってこと)すら、めんどうで仕方ない。
美貌しかウリがなかったのに、その美貌すら結婚後は保つ努力もしたくないの。
料理は家政婦に任せたい。エステ通いもめんどくさい。
だけど、贅沢な結婚生活はつづけたい。
そうおもってるだけなんだよね。
岩崎の性的倒錯がどうしてもガマンできなくなって、加奈は昔、将来性がないからって捨てた元カレに助け出してもらおうとする。
元カレすら、加奈は身勝手に利用するだけ。
それも失敗して、岩崎から逃げ出すことかんがえても、離婚したあとも岩崎から莫大なお金をしぼりとりたい欲を捨てきれない。

こんな女の人に「逃げてー。助かってー」なんて応援する気になんないよね。
わたしはむしろ、岩崎の方が「ハズレの妻」をつかまえちゃったよねー、としかおもわなかった。

岩崎は確かに変態。
人格障害みたいなのもあるし。
だけど、かんがえようによったら、こういう男とうまくいく女もいるとおもった。

倒錯した性的調教が好きなMの女。
『O嬢の物語』みたいに、男がじぶんの女を調教する、なんて話はいろいろあるし。

無制限な自由はないけど、檻の中ではかなり自由。
これもかんがえたら、夫のお金でのほほんと暮らしたいだけの「養われたい女」だったら、そんなに苦痛ないかも、っておもった。
実際、ひきこもりみたいな主婦いるじゃん。
じぶんは外を出歩くのは好きじゃなくて、働くのも好きじゃなくて、家にいたくて。
だから夫が養ってくれたら、それだけでしあわせ、みたいな人。
まして、岩崎はクレカでどんなハイブランドのアイテムでも好きなだけ買わせてくれる。

岩崎が奪う自由は、妻のカラダを好きにしたい、ってことと、妻の行動を管理したい、というだけで、それ以外の妻の物欲や食欲は好きなように満たさせてる。
岩崎みたいな変態のお金持ちと結婚してしあわせになれるタイプの女もいるとおもうんだよねー。

たまたま加奈はそうじゃなかった。
岩崎がいままで選んできた女たちも、岩崎に支配される悦びをかんじるようなマゾではなかった。

マッチングの問題、だよねー、っておもいながら読んでた。
夫婦の相性、ともいえる。
つまりは相性がよくなかった夫婦の悲劇、にすぎない話だともおもう。

イケメンなんだし、ふんだんにお金があるんだから、岩崎はじぶんの好みの妻をじぶんで育てればよかったのに。
努力はしたくないけど欲望は満たしたい、っていう中身がからっぽの30歳の借金持ちの加奈を妻にしなくちゃいけない理由がぜんぜんわかんなかった。

いろいろしらけたきぶんで「加奈のピンチ」を読んでて、さいごのほうはほとんど、「ここまで読んだんだから最後まで読んじゃう」って惰性で読んでたんだけど。

ラストシーンと、あとがき、で、いきなりガタガタって椅子から崩れ落ちるような感覚に襲われた。

あれ?
そんな話だったの?
加奈って、そんなキャラクターだったの?

っていう、「は?」ってなるの。終盤でいきなり。

あとがきなんて、感動しちゃったからねー。

 人は何のために生きているんですか?
///『愛されすぎた女』・著:大石圭・作者あとがきより


こんな読者からの問いかけが、あとがきに書かれてる。
それに対して、50歳になった作者がその答えを書いている。

今夜は雪になるという冷たい雨の降る真冬の庭で、作者が撒いた餌を食べているスズメたち。
そこにいるスズメたちの何羽かは、明日の雪が積もれば、もう生きていないかもしれない。

そのスズメたちに作者がおもうこと。

それがあとがきに書かれていて、これを読んだら静かな感動が湧いて。
作者の死生観は、わたしの感覚と近いものがあったから、余計にこのあとがきはこころにしみた。


だーけーどー。


え?
そういう物語だったっけ?

っていう、「はあ?」って声が出ちゃうおどろきにも襲われる。

ラストは映画『オープン・ウォーター2』的なかんじになる。

オープン・ウォーター2 [DVD] -
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そこで加奈が選んだ選択。
それはとても感動的な選択で。

その選択から、あとがき、に繋がる。


だーけーどー。


え?
そういう物語だったっけ?

っていう、ものすごいびっくり感があったんだよねー。

だって。
ぜんぜんそういう物語とはぜんぜんちがうとおもってて読んでたから、いきなりのそのラストとあとがきにそれまでのストーリーがぜんぜん繋がらない。

っていうのが、わたしの読後感。

ラストのシーンに作者が酔いすぎて、いきなり物語全体のテーマが変わっちゃったよねー。
みたいな、ものすごいギャップがあった。

わたし、これがおもしろかったんだよね。
小説としてヘタなのかもしれない。(ほんと、失礼なこと言ってるけど)

だけど、書いているうちに書き手の感情が文章に移入していくさま、みたいなのを生々しくかんじれて。

この作者のある文章のクセも、じぶんが文章の流れに酔ってる勢い、ともとれる。
だから、読み返しても、そのクセを修正しようという感覚も湧かなかったのかも。

この作者が、けっしてヘタクソな人、ではないのは『アンダー・ユア・ベッド』で証明してる。

小説は、その物語からじぶんが離れた位置にいないと書けない。
『愛されすぎた女』は、たぶん、作者がその距離を縮めちゃったせい、なんだとおもう。
無意識に、だとおもうけど。

執筆時間があまりかかってないのかな、っていう印象もある。
(とくに終盤)
夜更けに一気に書き上げた、っていうかんじ、かな。

夜中に書くメールはそのまま送信しないで朝になって読み直せ、とかいうけど。

この小説の終盤も、そんな夜中に一気に書き上げて、あたまが朝にならないまま脱稿させちゃったのかなー、っていう印象。
あくまでも、わたしのかんじたイメージでしかないけど。

なんかそれぐらい、ラストにこんな感動が用意されてる物語とはぜんぜんおもえない小説だったから、まったく想定外の位置に着地した結末、にびっくりした。

文章を書く人なら、作者が終盤でじぶんの文章に巻き込まれていく勢い、がかんじれるかも。
オープン・ウォーターみたいに、這い上がれないじぶんの文章に溺れて沈んでいく、みたいな。

突っ込みどころもいろいろある話だったけど。
いちばん気になったのは。

年収1億、って、そんなにものすっごーーーーーいお金持ち?
びんぼーなわたしには、ものすごいお金持ち、だけど。

岩崎がいろいろやってる贅沢なこと見てると、それだと年収1億ぐらいじゃ足りないよねー、ってかんじた。
フツーよりはぜんぜん贅沢な暮らしは送れるとおもうけど。
1億ぐらいじゃ、その限度はあるよねー。

これはわたしがびんぼーすぎて、1億の価値がちゃんとわかってないだけかも。


あ。あともうひとつ、すっごい突っ込みたいとこがあった。

あの家政婦、いったいなんだったの?
(読んだ人はみんなそうおもうとおもうー)

なんかすごい意味ありそうで、けっきょく、あたまにたーくさんの「?」が飛び散らかっただけだったよねー。
よくわかんない存在。
作者も、存在の意味、まで描くの、忘れてたんじゃないのー、っておもっちゃう。



この作者のほかの作品もいろいろ見てみたけど。
ざっくりまとめたあらすじで「?」っておもうものがあった。

地下牢の女王 (光文社文庫) -
地下牢の女王 (光文社文庫) -
熱狂的ファンからのメールに添付された写真。その美貌に小説家の目は釘づけになった。メールのやり取りを重ね、近づいてゆく距離…。そして女の自宅へと招かれた夜。甘美な期待は、恐怖と絶望へと一変した!女は薬で眠らせた彼を地下室に監禁したのだ。―私が発表するための小説を書きなさい。拒めば、身の毛もよだつ責め苦が待っていた。狂気の監禁劇。


あの夜にあったこと (角川ホラー文庫) -
あの夜にあったこと (角川ホラー文庫) -
21歳の優也は、幼なじみの啓太と共に派遣従業員として工場で働いている。異様な愛情を注いでくる母を拒絶しきれない優也。金持ちに敵愾心を抱く父に育てられた啓太。鬱屈した思いを抱えた2人は、裕福な院長夫妻と美しい娘が暮らす「山下医院」の豪邸に、強盗に入ることを計画。だがはずみで家政婦を殺してしまったことから、2人の行動は徐々に歯止めがきかなくなっていく…!あの夜何が起こったのか。戦慄のサスペンス。


『ミザリー』と『冷血(高村薫さんの)』の大石圭版、みたいにネットで紹介されてた。

あらすじだけ見ると、かなり大胆にストーリーが似てるんだけど。
これをどんなふうに、大石圭さんの作品として創られているのか気になったから、これも読んでみたい。
ミザリーと冷血はどっちもわたし、好きなんだよね。








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